家づくり初心者の方を対象に、今回の記事は「本当に信頼できる工務店の探し方」を解説します。
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こんなお悩みを全て解決していきます。
- 工務店勤務の会社員
- 設計補助・インテリア提案・資金相談まで幅広く担当7年目
- 元メガバング住宅ローン担当、全国表彰経験あり
- インスタフォロワー7000人
工務店を選ぶ人はどのくらいいる?
エニワン株式会社による2019年の「一戸建て住宅建築会社の選び方に関するアンケート」によると、家を建てた方1,079人のうち38.5%が工務店に依頼していることが分かりました。
一戸建て住宅建築会社の選び方に関するアンケート|エニワン株式会社
工務店の魅力として「設計の自由度」や「価格面の魅力」が多い一方で、「価格設定の分かりにくさ」や「情報の分かりにくさ」「アフターフォロー面での不安」が工務店を選ばない理由として上位に上がっています。
そうそう工務店って、デザイン以外にどこを見たらいいかよくわからない…
展示場でふらっと見学しやすいハウスメーカーに比べ、工務店は直接「資料請求」や「相談予約」をする必要があります。そのため工務店探しはハードルが高いと考える方が多いです。
でも、ハードルが高いから・探すのが面倒だからと諦めてしまうのは、もったいない。
工務店の中には、
・ハウスメーカーに勝る技術
・自由な間取りなど
理想の家づくりが叶えられる会社が数多くあります。
工務店で建てたわが家の気密は、0.09㎠/㎡。性能で業界最大手の一条工務店の0.59㎠/㎡よりかなりいい性能を出しています。
まさに、ハウスメーカーに勝る技術をもった工務店です。
記事内の手順通りに調べていけば、「信頼できる工務店」に、最短で到達できます。
「信頼できる工務店」ってどんな工務店?
家づくりにおいて、こだわるポイントは人それぞれ。一言で「信頼できる」と言っても捉え方は様々です。
この記事で考える「信頼できる工務店」とは、以下の3つ。
- 積極的に新築に取り組んでいる
- 性能(高気密高断熱)への意識が高い
- 倒産のリスクが少なく、経営状態が安定している可能性が高い
みんなが気になる「価格」は、この段階ではまだ判断できません。家の価格はランニングコストやメンテナンス費用までまでトータルでみるもの。価格については、会って相談する際に確認しましょう◎
良い工務店情報を見つけにくい理由
理由①:ハウスメーカーとの広告宣伝費の差
ハウスメーカーの広告宣伝費は莫大です。
1位は大和ハウス工業で、広告宣伝費は285億700万円でした。2位は積水ハウスで236億1,600万円。
住宅建設業界広告宣伝費ランキング2022|リビンマガジンBiz
年間で数億円を広告宣伝費に使うハウスメーカーに、地元の工務店が太刀打ちできるはずもありません。
・テレビCM
・ハウジングセンター
・住宅雑誌(SUUMO系フリーペーパーなど)
フリーペーパーも掲載予算が大きい会社から、目立つ広いページに掲載されるのが一般的です。
285…おくえん…。うちの家、何個分…。
理由②:宣伝をする必要がない
地元工務店の中には、年間棟数が5~10棟ほどの会社も少なくありません。
評判のいい工務店だと、枠が早々に埋まってしまいます。
宣伝を大々的にする必要がないため、評判の良い工務店を見つけることができない状態がおこります。
口コミだけで予約が埋まる隠れた名店レストラン…みたいなものです
全国どこでもOK!おすすめの工務店の調べ方
見つけ方①:SNSで検索
工務店は広告宣伝で力が弱い分、SNSを活用している会社がとても多いです。
(ご存じの通り投稿は無料ですし、広告も少額から載せられるので、工務店の宣伝にはもってこい。)
インスタグラムを活用している会社はかなり多く、中でもYoutubeまである会社は、発信力も高い工務店です。
発信力が高いと、工務店側にも新商品や住宅アイデアなど最新の情報が入りやすくなります。
SNSを積極的に活用している会社は、情報リテラシーが高く、優れた提案力につながりやすい。
見つけ方②:地域グリーン化事業
一般社団法人木を活かす建築推進協議会
地域グリーン化事業?初めて聞くワードです。。
平成27年度から始まった地域型住宅グリーン化事業とは、地域における木造住宅の関連事業者が「グループ」をつくり、省エネルギー性能や耐久性等に優れた木造住宅の整備及び、これと併せて行う三世代同居への対応等に対して支援する事業で、その対象となる住宅を地域の工務店で建築した際に補助金の支給を受けることが出来る事業です。
地域型住宅グリーン化事業とは?| 一般社団法人木を活かす建築推進協議会
「一定の性能を満たした家をつくっているグループ」に所属している工務店で家を建てると、補助金がもらえる制度の名称です。
グループとは?|一般社団法人木を活かす建築推進協議会
でもなんで、この制度が「良い工務店」探しに役立つのか。
「地域グリーン化事業」が信頼できる工務店探しにおすすめの理由
理由①:地域の工務店しか参加できないから
参加できるのは年間50戸程度未満の工務店のみ。ハウスメーカーやビルダー工務店は参加ができない制度だから、地元の工務店を探しやすい。
理由②:「一定の性能の家を建てられる」工務店のみが、参加できるから
補助対象住宅について|一般社団法人木を活かす建築推進協議会
補助金の対象となる住宅は、「長期優良住宅」「低炭素住宅」「ZEH住宅」のどれかに該当しないとダメ。どれも一定水準の性能が必要です。
つまり、地域グリーン化事業に参加している工務店は、水準をクリアできるだけの性能の家を建てられる会社ということ。
理由③:工務店の対応力が、垣間見える
補助金をもらうには「申請手続き」が必要です。地域グリーン化事業の申請は工務店が行います。
この申請手続きが、かなり面倒くさいのです…
いろいろな補助金があるけど、地域グリーン化事業の申請の煩雑さはトップクラス…
しかも、補助金がもらえるかどうかの確定も、なかなか決まらない制度なので、トラブル防止のためにも、実はおすすめしにくい補助金制度。
そんな面倒な制度を、それでも申請して、補助金をもらえるようにするのはなぜか。
それは、お施主様が得になる補助金があるなら、使わせてあげたい“工務店の誠意”です。
地域グリーン化事業に参加している工務店は、お施主様のために動いてくれる、前向きな姿勢をもった会社の可能性が高いです。
「地域グリーン化事業」に参加している工務店の探し方
STEP①:地域グリーン化事業公式サイトから、建築希望エリアの工務店を確認する
建築地の都道府県を選んだら、「工務店を探す」にチェック。
「お住まいの地域を選んでください」の⊞をクリックして、さらに市町村を選んで検索。
地域グリーン化事業に参加している地元の工務店が一覧で確認できるよ。
ステップ②に進む前に、一番右の“所属グループ名称”をすべて書き出しておいてね。
うちの地域の工務店は10社くらいだな。じゃあ早速ホームページを見てみよう!
ちょっと待った!ここに出てくる工務店の中には、実際には補助金申請はしていない会社も一覧に上がってくるから、ステップ2まで必ず進んでくださいね。
STEP②:地域グリーン化事業採択ページで実績を確認する
最初に、住まいのエリアを選んだら、
ここでSTEP①で書き出した“所属グループ名称”と同じ名前のグループを探して、一番右の【適用申請書】をクリック。
PDFがでたら、「〈グループ構成員記入用リスト〉Ⅵ.施工‐2」まで進む。
ここが工務店の実績が分かるページです。
- A・・(左)工務店が昨年建てた新築棟数 (右)直近3年での平均年間棟数
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年間何棟ほど建てている会社か、ここで工務店の規模が分かります。
- B・C・D・・(左)昨年建てた内、「長期優良住宅」「低炭素住宅」「ZEH住宅」で建てた家の数 (右)直近3年ので「長期優良住宅」「低炭素住宅」「ZEH住宅」の平均年間数
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一定水準の住宅を、実際に建てているのかが、ここで分かります。水準の家を「建てられる」ではなくて、「実際に建てている」会社の方が経験も豊富で、より信頼できる工務店と言えるでしょう。「長期優良住宅」「低炭素住宅」「ZEH住宅」の違いは、あまり気にしなくてOKですが、例えばZEHの家が建てたいと思っている人なら、ZEHを最近建てている会社を選べば打ち合わせもスムーズに進みます。
- E・・過去数年の間に、一定水準の性能を建てた上で、さらに補助金の申請を実際に行ったことがあるか
-
グリーン化事業に参加していても、実際には補助金を活用していない会社もあります。過去に補助金を活用している会社の方が、補助金や煩雑な手続きのものがあった際も、前向きに取り組んでくれる可能性が高いです。
ここまで確認すれば、工務店がどんな家を建てているか一目瞭然。なんとなく、“この工務店良さそうだな”が見えてきます。
見つけ方③:住宅完成保証制度
住宅完成保証制度?これまた初めて聞くワードです。。
注文住宅の請負契約を締結した登録事業者様が住宅の完成前に万が一倒産等により工事の継続が不可能になった場合に、お施主様が支払った前払金や工事の引継ぎにおいて生じる増嵩工事費用を、住宅あんしん保証が保証証書記載の金額を限度にお支払いすることで、工事の完成を支援する制度です。
住宅完成保証制度の特長|株式会社住宅あんしん保証
建築する会社が「住宅完成保証制度」の事業者登録を受けていて、かつ保険に加入した場合に、建築中もし工務店が倒産したら、残りの工事などをカバーしてくれる保証制度のことを言います。
「住宅完成保証制度」が、信頼できる工務店探しにおすすめの理由
ではなぜ、この制度が「信頼できる工務店探し」に活用できるのか。
それは制度を使うための「事業者登録」になる際に、会社の経営状態について厳しい審査を受ける必要があるからです。
「住宅完成保証制度」は住宅あんしん保証が優良な建築会社と認め、住宅あんしん保証に登録した工務店・ビルダー(以下「登録事業者」といいます。)だけがご利用いただけるサービスです。
住宅完成保証制度の特長|株式会社住宅あんしん保証
審査は加入の時だけじゃなく、毎年決算書を提出して登録の更新を行う必要があります。
もちろん、経営状況が悪ければ登録の更新をすることはできません。
つまり、「住宅完成保証制度を使える事業者」になっている工務店は、経営状況が安定しているということ!
病気があると、医療保険に入れないのと同じようなことかな。
そうそう!リスクのある状態だと、保険の加入は難しいですよね。
「住宅完成保証制度」の登録事業者の探し方
いろいろな保証会社の事業者検索が出てきます。
一例として、株式会社住宅あんしん保証のホームページがこちら。
検索条件で“住宅完成保証制度”にチェックを入れて、進んでいくと“住宅完成保証制度”の登録を受けている地元の工務店が分かります。
「住宅完成保証制度」を扱っている保証会社は複数あり、登録事業者の確認をインターネットで行っていない保証会社もあります。気になった会社が検索で出てこない場合は、工務店の方に会ったときに、住宅完成保証制度に加入しているか聞いてみるのがおすすめです。
気になること別「ネットで確認ポイント」3選
ここまでで気になる会社が数社見つかったら、最後のチェック。
デザインにこだわりたい!
ホームページやインスタから、施工事例をチェック
地元工務店で年間棟数が多くない場合、デザインは比較的似た雰囲気になりやすい。
特に外観のデザインは工務店の特徴が強く出る部分なので、外観が好みかどうかは、ぜひ事前に確認しておきたい。
性能こだわりたい!
ホームページに、具体的な性能の数値が載っているかチェック
性能重視の人は、高気密高断熱が気になるところ。
ホームページに性能のページがあるか、さらには具体的なUA値やC値の数値が記載されているか、が確認ポイント。
工務店で性能数値まで載せている会社は、性能への意識が高く、期待できる会社です。
工務店って、倒産しないか心配…
ホームページの設立年月日をチェック
工務店の保証については、住宅完成保証制度の加入を確認するのがおすすめ。でもホームページに記載されていない場合もあるので、まずは設立年月日で会社が何年経営されているかをチェック。
創業年数が長ければ良い、短いと悪い、というものではありませんが、
創業年数が長い会社はアフターメンテナンス等も含め、長く続くだけの理由があるのではないでしょうか。
見学会などで、長く経営が続いているワケを聞くと、会社選びの判断材料になります。
まとめ
今回は、「信頼できる工務店の探し方」について詳しく解説しました。
デザイン以外の見えにくい部分を確認することで、、より安心できる工務店を見つけることができます。
面倒だから、と工務店を避けていた方は、一度簡単に調べてみると地元の工務店で気になる会社を見つけてもらえるかもしれません。
“知らなかった…”とならないよう、積極的に調べて、納得感のある家づくりを一緒にしていきましょう。